「結核」=「昔の病気」と思っていませんか?
今回は、その結核の事について、今金町国保病院 呼吸器内科医師の庄田英明先生に「結核について」として解説頂きました
それでは庄田先生お願いします。
「結核について」
結核とは結核菌による感染症です。
世界では、総人口の3分の1が感染しており、毎年940万人が発症し、180万人が命を落としています。
日本でも毎年2万人以上の患者が発症しており、発症者の半分以上は高齢者です。
これは高齢者が若いころ、日本に結核が蔓延していたときに感染し、高齢となって抵抗力が落ちた今になって発病する例が多いためです。
若い世代の集団感染も問題になることがあります。
日本は先進国の中では結核患者の発症は決して低いほうではなく、アメリカ、オーストラリアの4倍のレベルで、過去の感染症「昔の病気」ではありません。
私たちの八雲管内でも毎年数人の発症者があります。
結核菌は空気感染により感染し、主に肺に炎症を起こす病気です。
結核患者が咳やくしゃみをすることにより結核菌の混じった痰がとびちります。それを周りの人が吸い込むことにより感染が成立します。
痰の中に結核菌が少ない状態だと感染力は低いのですが、多いと感染力は強くなります。
咳の続いている期間が長いほど、周りに感染させる可能性も高くなります。
患者にとっても、周りのひとにとっても早期発見が非常に重要です。
2週間以上咳、痰が続くときは一度は受診し、胸部レントゲンの検査をうけることが必要です。
感染すると10%~20%発病しますが、発病したとしても早期にきちんと治療を受ければ多くは治ります。
注意をしていればそれほど怖い病気ではありません。
また免疫のない乳児は非常に重症化しやすいので生後3~6ヶ月の間にBCG接種をうけ、重症化を予防するのも重要です。
ともかく、2週間以上咳、痰が続くときは医療機関を受診しましょう。
今金町国保病院 庄田英明
庄田先生ありがとうございます
心当たりある方は予防、早期受診などの対策・対応をお願いします。
ところで、庄田先生!
下線部分
の「発病したとしても早期にきちんと治療を受ければ多くは治ります。」
これについて補足させてください!
それでは・・・うぉっほん!
昔は多くの方が亡くなったそうです。
でも今は薬が開発されて、きちんと薬を飲めば治ります。きちんと薬を飲めば・・・です。
通常3~4種類の薬剤を服用し、服用期間は、基本的に6ヶ月です。
個人の病状や経過によって長くなることがあります。
そう・・・
この6ヶ月という服用期間の長さが「きちんと治療を受ければ(薬を飲めば)治る」のを妨げているのも事実です。
ともかく・・・
治療途中で薬を飲むのをやめてしまったり、指示された通りに薬を飲まなかったり、飲んだり、飲まなかったり・・・
これは絶対!ぜ~ったい!やめて下さいね。
治らないばかりか・・・
結核菌が薬に対して抵抗力(耐性)を持ってしまい、薬の効かない結核菌(耐性菌)になってしまう可能性があります。効く薬がなくなるんです。
結核と診断されたなら、医師の指示を守って、治療終了まできちんと薬を飲み続ける(十分量の強い薬を複数組み合わせてきちんと服用し貫徹治療する)こと
結核治療には・・・これが最も重要です。
YICNet 薬剤師 崎本
つぶやきます・・・
地域DOTS・・・可能でしょうか?