アデノウイルスも?
カテゴリー:お役立ち~その他の感染症~ 2012年4月6日
アデノウイルスの特徴
潜伏期は、5~7日
発症は、3~5日
感染させてしまう期間は、発症から2週間程度
感染経路は便、飛沫、直接接触
免疫つきにくく、ワクチンなし
治療薬はない
予防には、石鹸、流水による手洗いが有効



アデノウイルス感染症は、小児科で良く聞かれる夏かぜやプール熱の原因となるウイルスとして広く知られているウイルスです。

アデノウイルス感染症の最大の特徴は、主に
発熱(38~40℃近い高熱)
咽頭炎(のどの腫れ、痛み)
眼症状(目やに、充血

の3つの症状を発症する傾向が確認される点です。

この3つの症状を発症する疾患を「プール熱=咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」と呼びます。

「咽頭結膜熱」は誰もがおそらく経験のある「夏かぜ」の代表とも呼ばれる疾患です。
とはいえ、夏かぜと言っても特に季節性ということには捉われ無いように!

その症状は、軽いカゼ程度のものから重症の扁桃腺炎、肺炎、さらには結膜炎や嘔吐下痢症といった症状などなど・・・

アデノウイルスには、いろんな型があり、上記のような様々な症状が見られます。

「咽頭結膜熱」を発症した場合、熱が下がるまで安静を保つようにします。発熱に伴う発汗があるため、また時に下痢の症状を示す事があり、脱水症状予防に水分補給は欠かせません。

そんな時にはORS! by 崎本

でも、喉の痛みで物が飲み込めなくなっている場合(食事をとれない時)は病院での診察を受けてくださいね。

また、発症した時、潜伏期間中にプールの授業や、プールの習いごとなどに参加していた時は、集団感染の予防も含め、プールの管理者へ報告しておくとその後の感染拡大の予防手段となるかもしれません。

アデノウイルスは感染力が強く、症状が治まっても、体内に侵入したウイルスが死滅しているとは限りません。症状が治った後も2週間程度、ウイルスの排出を続けることもある為、糞便などからの2次感染には最大の注意が必要です。

プール熱を発生した児童は、基本的に1ヶ月程度プールへの参加はできません。
楽しいプール授業が・・・
プール熱という語源はこんなトコロから来ているんですね。


でもなぜ今、アデノウイルス感染症?夏かぜの話題がブログに?と、不思議に思われますが、
いわゆるネタ切れや思い付きではないんです。

ここ数日間で、八雲町内で「流行性角結膜炎」の発症が相次いでいます。
アデノウイルスも・・・やめてー

ってことで、アデノウイルスは「流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)」の原因ウイルスでもあります。
私の子供のころは「流行性角結膜炎」を「はやりめ」と言われてましたが・・・


「流行性角結膜炎」については、八雲総合病院 眼科医師 西真智子先生の解説をご覧下さい。
メールマガジンにも配信していますよ。

それでは先生お願いします。


眼科医の西です。

流行性角結膜炎についてお話しします。
いわゆる『はやり目』と言われているもので、アデノウイルスの感染によって起こります。
症状は目の充血、痛み、目やに、涙などで、ひどくなるとまぶたが腫れたりもします。
感染力が強く、目やにや涙を触った手、その手で触った物、を介して人から人へと感染(接触感染)します。

典型的には、患者さんと接触があってから1週間ほどたって、片方の目に症状があらわれ、2~3日するともう一方の目にも症状が出てきます。(両目同時に症状が出たり、片目だけで終わることもあります。)

症状が出てから2週間ほどで徐々に治っていきます。

抗ウイルス薬の目薬はないので、原因となるウイルスをたたく治療はできませんが、混合感染を予防するために抗菌薬の目薬と、 炎症をおさえて症状を緩和するステロイドの目薬をさします。

2週間の間はなるべく他人との接触をさけて、学校や仕事も休まなければなりません。
家族にうつさないために、目の周りを触ったらすぐに石けんと流水でよく手を洗うこと。
目やにや涙を拭いたティッシュなどはどこにも触れないように捨てること。
家族とタオル等を共有しないこと。
お風呂は最後に入って掃除すること。

家族の側はこまめに手洗いすること。
目の周りを触る時は手を洗ってからにすること。

などを心がける必要があります。
アレルギー性や細菌性の結膜炎、麦粒腫(いわゆる『めっぱ』、『ものもらい』)などでも似たような症状がでることがあり、その場合感染力はかなり弱いのですが、すぐに病院に行けない場合は、感染性があるものと考えて上記のような感染対策をとっておくことが感染を拡大させないために大切です。

何かありましたら、当眼科までご相談ください。



西先生どうもありがとうございます。


ちなみに・・・
当院でのアデノウイルス検査は、画期的?なキットで、咽頭結膜熱や流行性角結膜炎が疑われる場合に、同じ迅速診断キットで検査が可能です(最近の検査キットの進歩はすごいです)。
検査に必要な検査材料(咽頭部粘膜や〈めやに〉を綿棒に十分にすりつける)を使って、15分程度で検査結果がわかりますよ!

検査をする時は、十分な感染予防策をしながら検査をしています。
検査技師が検査中に感染したらマジ、マズイッす!

朝目覚めたら、目脂(めやに)が…そんな時は、迷わず、眼科受診を!!
インフルエンザと同様に、石鹸と、流水でのこまめな手洗いをしっかりやって感染予防に努めましょうね。              
 
YIC­Net 検査技師 山田
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