胃腸炎などに罹った時の脱水症予防にはORS
カテゴリー:お役立ち~ノロ・ロタ~ 2012年4月5日
再投稿です!
こんにちは。
YIC広報担当で薬剤師の﨑本裕治です。

ちまたではいまだにノロ、ロタなどの食中毒が騒がれてますね。
「うつらない、うつさない」などの予防策は勿論一番大事です。

でも、もし罹ったら…

それらにはこれといった特効薬はありません。病院に行ってもお医者さんから「脱水にならないように水分補給して下さい」とそれだけ言われ、帰ったことがある方は少なくないと思います。
また、今現在それらに罹りお水、スポーツドリンクで対応されている方もいると思います。

そこで!
こんな時はORSがオススメ

ORSって何?

点滴を行えない開発国で、コレラなどの下痢による脱水症の改善のために開発されたWHO(世界保健機関)の経口補水療法(Oral Rehydration Therapy:ORT)で、これに用いられる、電解質バランスを整えたお水の事を経口補水塩(Oral Rehydration Salt:ORS)といいます。

すなわち、飲む点滴です。
ドラマ「仁」で、コロリに使われたアレです。

ORSは、下痢、嘔吐を伴う食中毒などの脱水を伴う疾患、脳脊髄液減少症などの水分補給が必要な疾患に使えます。

ORSの作り方、飲み方(飲ませ方)の一例です。参考にして下さい。
家庭でも簡単に作れますよ!

【作り方】
水1Lに、食塩2~3g(小さじ1/2)と砂糖20~40g(大さじ41/2)とを加えて出来上がり。

これに、果汁(レモン汁、グレープフルーツをしぼる)これマジうまい!や、無塩のトマトジュースを加えた水にすることで、カリウムも含むORSにも!

簡単でしょ

(重症の脱水の治療には、適切でないですが、日本で多いウイルス性胃腸炎の脱水の維持療法には、十分です)

【飲み方】
下痢や嘔吐による軽度から中等度の脱水に際して
発症4時間以内は30~100mL/kgを飲ませます。
発症4時間以降(下痢や嘔吐の都度)
体重10kg未満の児には:60~120mL/1回を飲ませます。
体重10kg以上の児には:120~240mL/1回を飲ませます。

ポイントとしては、飲んでも反射的に嘔吐しない程度に、ゆ~っくり。頻回に嘔吐していたら、ORSを、1回に5~10mL、2分毎に与えると良いと言われてます。
温度は15~22℃位が吸収しやすいと言われてます。冷やした方が美味しいんですが・・・冷やしすぎない様に。

一日量として、
乳児は体重30~50mL/kg/日
幼児は300~600mL/日
学童~成人は500~1,000mL/日
を目安に飲ませる(脱水状態に合わせて適宜増減する)

おことわり!『飲み方』については、~mLとか細かく説明しましたが、あまり細かい事は気にしすぎないでください。参考までに。


最後に…

脱水の予防のポイントは、身体に吸収しやすい濃度、浸透圧、pHバランスにした、水分、糖分(ブドウ糖)、塩分(Na)の補給が必要なんです!
ぶっちゃけ言うと、
実は、
お水だけでは、うすい!
スポーツドリンクは、濃い!
んです。

昔から胃腸炎の際には、おも湯に少量の塩分(食塩)を混ぜて、飲ませる方法があります。
それって、バランス最適!
脱水の治療や予防の理にかなっていたんですね。

あ、ORSは暑い夏にもオススメです!

ほんとに美味しいですよ!お試しあれ!
 
YIC­Net 薬剤師 崎本
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