吉田です。
以前、ニュースでセンセーショナルな話題をふりまいた
『人喰いバクテリア』
についてお話します。
人喰いバクテリアと称される細菌にはいくつかありますが、最も身近なところにいる細菌は
A群β溶血性連鎖球菌(通常"溶連菌"と呼ばれます)でしょう。
この細菌によってひき起こされる『劇症型A群β溶血性連鎖球菌感染症』は1987年、アメリカで最初に報告されて以来、全世界的に症例が認められています。
日本においては1992年に、はじめて典型的な症例が報告されました。
日本における患者数は1999年以降の累計数では全国で1148名、北海道で43名となっています。
患者年齢は30歳代から増加し60歳代でピークを迎えます。
致死率は約40%と実に恐ろしい病気です。
溶連菌といえば皆さん、何を想像されますか?
そうです。咽頭炎(のどの炎症)や膿皮症(皮膚の炎症:とびひ)など、子どもの溶連菌感染症ですね。子どもの感染症としてはごく一般的に見られるものですが、実は原因は同じ細菌です。
ただし、子どもの溶連菌の流行と劇症型A群β溶血性連鎖球菌感染症の患者数の間にあまり相関がないとの報告があり、子どもから感染して劇症型A群β溶血性連鎖球菌感染症になってしまったというような単純なものではなさそうです。
この病気は誰がいつ発症するかわからない、その原因となる細菌がすぐ近くにある、などの理由から不安がつのります。
でも大丈夫!
この溶連菌が体の中に入ってこなければよいのですから。
これにはやはり手洗いが一番大切です。
手洗いをしない汚れた手で傷を触らない、子どもや孫に触れるときも手の衛生に気をつけるなどのちょっとした注意で自らはもちろん小さな家族も守れます。
参考まで・・・
八雲総合病院を受診された溶連菌感染症患者さんの推移です。ここ最近急増しているのがわかります。
要注意です。
YICNet 吉田