吉田です。
まだまだ夏、RSウイルスのお話をするには早すぎって感じていたんですが、さにあらず!
全国的には患者数は大きな流行のあった昨年と同様の動きをしています。
『それって、全国の話でしょ?北海道や八雲には関係ないよ!』そう思われる方も多いでしょう。これまたさにあらず!
まずはこの話から。
お示しするデータはいずれも北海道感染症情報センターからのデータ引用です。
図1と図2は全国と北海道のRSV感染患者数の年次推移です。
どうですか?すごく似ていませんか?
どうも似たような動きをしているようです。
では八雲はどうでしょう?図3
ちょっと違いますかね?でも右肩上がりの感じは似ていますね!たまたま昨年、一昨年は患者が多くはなかったですが、もしかしてそれは単なる『ラッキー』な年だったのかも?
さて、本題に戻りましょう。
図4に全国レベルでの、もう少し詳しい患者数の動きを示します。
昨年は流行開始時期も早かったし、患者数のピークも大きかったですね(図のオレンジ色の線)。
今年は・・・なんとオレンジの線に重なって動いているような感じ(赤線)!
やっぱり大きな流行が来るのでしょうか?
RSV感染症は1歳未満の小さなお子さんには問題となる病気です。
ほとんどのお子さんがかかるRSV感染症、でも特に重たくなるのが初めての感染の時です。
これはまた別に意味で大きな問題を含みます。2度、3度と罹ると症状は順次軽くなります。ということは罹っていても良く解らない。ということは誰が感染源となるかわかりづらいということです。
多くの場合、小さなお子さんにこの病気をうつすのは、その子のお兄ちゃん、お姉ちゃんが多いと思われます。
大人も例外ではありません。高齢者の感染も問題視されています。
最近、多くの幼稚園、保育園がこども園化されてきており、小さな子どもたちが集団生活する場合が多くなってきています。これもまたリスクとなり得ます。
RSV感染症は有効なワクチンもなく、治療も対症療法的なものしかありません。
とにかく、感染の連鎖を食い止める手洗い、マスクが最重要と考えます。
幼稚園、保育園、学校に通う子どもたちの手洗いはもちろんですが、その子供たちを保育する職員、家族、高齢者に関わる皆さんの一層の注意をお願いします。
YIC-Net 医師 吉田