吉田です。
AMR・・・あまり馴染みのない言葉ですね。AMR=薬剤耐性です。
業界では今まさにホットな話題です。
本来、『ばい菌をやっつける⇒抗菌薬の役目』だったんですが、敵(菌)もさるもの、『こんな抗菌薬、へっちゃら!』、こんな菌がどんどん増えてきています。
なぜこんなことが起きてきたのか?最も大きな原因は抗菌薬の不適切な使用です。
ではこんなことが続けばどうなってしまうのか?
『あっ!この患者さん、菌にやられてる』となった場合、医師は早急に抗菌薬の使用に踏み切りますが、本来効くはずの抗菌薬が『効かない!(ノ_・。)』なんてことになってしまいます。
一昔前までは『効く抗菌薬を作ればいいしょ!』のノリで、メーカーが頑張って作ってくれたのですが、最近はさすがに厳しくなってきました。
医療現場では菌と戦う武器がどんどん限られてきているというのが現状です。
では我々はどうすればよいのか?
抗菌薬の不適切な使用を止めることです。
臨床医にとって抗菌薬はとっても魅力のある薬です。でも『とりあえず、抗菌薬でも』のような発想は厳に慎まなければなりません。
患者の立場としても、やはり『カゼ症状はあるから抗菌薬が欲しい』とか『飲み残しの抗菌薬があるから1,2回飲んでみよう』などの考えは改めていただければと思います。
本当に抗菌薬が必要なときは使いましょう!もしそうでなければ使わないという選択肢もあるはずです。
そのためには使う側と使われる側のきちんとした『説明と同意』が重要です。
担当医とよく話し合ってみてください。
感染制御認定薬剤師の崎本先生、コメントを!
YIC-Net 医師 吉田
では、引き続き・・・
現在、薬剤耐性菌によって世界では年間70万人が死亡しています。このまま何の対策も講じなければ、約30年後には1000万人が死亡すると予想され、がんの死亡者数を上回る可能性があります。
では、抗菌薬が効かなくなる前に私たちにできることは何か?
・症状を医師に詳しく伝えましょう。
・抗菌薬は医師の指示通り最後まで飲みきりましょう。
・とっておいて後で飲んだりしないようにしましょう。
・人にあげたりもらったりしないようにしましょう。
・わからないことは医師、薬剤師に相談しましょう。
一番大事なのはきちんと感染予防をして病気にかからないことです!
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次回、町の広報に投稿しようと思っていた文言です。
う~ん難しいですねぇ・・・。
病院に来られる患者さんは、何かに感染して辛いから・・・今より楽になるなら・・・先生を信じて・・・薬を飲むのが普通でしょうし、万能な治療や薬を求めて受診されているはずですしね…。
先生のような先生であれば、「あなたの風邪はウイルスです。これに効く薬はないので出しませんよ」とか、または、「あなたの風邪はウイルスです。これに効く薬はないので出しませんが、症状から細菌が悪さをしている可能性もあります。あたりをつけて?○○の菌だと思いますから、この菌に効く抗菌薬を出しとくので、きちんと飲みきって下さいね」とかとか、きちんとスジを通して説明してくれ、コントロールをしてくれるでしょう。
でも菌は目に見えないし、検査において多くの菌は判明に時間がかかるので、とりあえず抗菌薬!な先生たちも居る事も事実です。
何でも効くよ!程度で説明されれば、安心しますもんね?
なので、お医者さんもしかり。
患者さんもそういった先生に対してどういう意図で出しているのか聞くくらい賢く薬と付き合って頂ければ良いのかなと私は考えます。
YIC-Net 薬剤師 﨑本