ダニ媒介脳炎その後・・・
カテゴリー:お役立ち~その他の感染症~ 2017年7月12日

緑の芝で エンジョイのはずが いつも笹薮にいる?山田です。

巷では、国内の主要港湾で次々と発見された『ヒアリ:学名/Solenopsis invicta 別名/火蟻』が話題です。幸いにもと道内の港からは発見されていないようですが、心配です。

ヒアリは、世界の侵略的外来種ワースト100選定種で、特定外来生物にも指定されている忌々しき生き物です。

世界中で対策が取られていますがついに? というか、 やはり貿易が盛んな日本にも侵入していました。また、神戸港ではヒアリに似たアカカミアリまで発見されています。

ヒアリに刺されると、アルカロイド系の毒により、痛み・かゆみ・蕁麻疹等の症状や、時としては、アナフィラキシーショックをおこし、適切な処置がなされない場合には死亡することもあります。

詳細は、環境省パンフレット 「ストップ・ザ・ヒアリ」(外部リンク)参照

 

さて、北海道では、 〜北海道の男性「ダニ媒介脳炎」で死亡 国内2例目〜

YIC-Netブログ 山菜採りの季節!注意:ダニ媒介感染症  で、取り上げた“ダニ媒介脳炎:TBE”に感染された方が亡くなられました。

ダニ媒介性脳炎は、93年に国内で初めて渡島保健所管内で患者が確認されて、国立感染症研究所が行った北海道南部地域での調査では、哺乳類やマダニからダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)が確認されています。

また、北海道大学の研究グループが今年5月、札幌市内での調査で、野生動物への感染が確認されているそうです、幸いにも20年以上、患者発生の報告がありませんでしたが・・・昨年に続き今年も発症報告です。

以下、マダニとは(北海道立衛生研究所資料より)

〇 マダニとは 

マダニは、ほ乳類や鳥類などの動物の血液(体液)を吸って生きています。
マダニは、卵→幼虫→若虫→成虫の順に発育し、幼虫・若虫・成虫ともに吸血します。

北海道でヒトから吸血するのは、主にヤマトマダニとシュルツェマダニの2種類で、雌の成虫が吸血します(雄の成虫やシュルツェマダニの若虫もごく希に吸血します)。

ヤマトマダニは利尻・礼文・天売・焼尻島と高山などの寒冷地には分布せず、シュルツェマダニは北海道南部の低地(主に渡島・檜山地方)ではきわめて希。そのほか大部分の地域では2種類が同じ場所に生息しています。

両種とも春の雪解け直後から出現し,シュルツェマダニは7月まで、ヤマトマダニは、10月頃まで見られますが、ヒトの刺症例は5~7月に多くなっています。

これら2種類の成虫は,枯れ枝や植物の葉の先端などで吸血源となるヒトや動物が通りがかるのを待ち伏せしています。また、動物の呼気(二酸化炭素)に誘引されます。

シュルツェマダニ

シュルツェマダニ(メス)

北海道HPには、「山や草地などに行く際は長袖や長ズボンで肌の露出を避けて」と呼び掛けられています。

また、西日本を中心に、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の発症者の報告も続いており、  国立感染症研究所では、一般の方向けのマダニ対策に関するパンフレットを改訂されました。


(2017年5月11日改訂)  「マダニ対策、今できること」 (ダウンロード: 2MB) 

 

感染対策はまずは情報収集&共有です。

地域での流行や発症状況に耳を傾け、対策に取り組んでいきましょう!!

 

今金町国保病院 山田 光雄

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