北海道もやっと桜吹雪が舞い散るこの頃、ぽかぽか陽気で山菜採りの季節ですね。
ただ、危険も付き物です。
→ヒグマとの遭遇
北海道環境生活部のポスターでは『北海道は全域がヒグマのすみか!道内では毎年1~2名の死傷者が!』です。
→遭難
国有林への入林の際は、森林管理署への申請が必要です。山に入るときは、計画を家族等に伝え、単独での入山は危険ですし、複数で声掛けしながら、時には引き返す勇気をもってもしいものです。山菜のポイントは、携帯エリアからは外れた地域が多く携帯電話などは通じず、通じても上空からの捜索がままならないことがしばしばあるようです。最近では捜索費用の自己負担を明文化する自治体も多くなっているとか・・・
更に危険が潜んでいます・・・本日の本題です。
→マダニの媒介による様々な感染症
当ブログでも取り上げた“重症熱性血小板減少症候群:SFTS”
国立感染症情報センターの調べでは、日本で初めて患者が確認された2013年1月から2017年4月26日現在232名(内53名死亡)の報告があります。幸いにも、北海道をはじめ中部以北では患者報告例はありませんが、2013年5月から開始された厚生労働科学研究では、北海道をはじめ33自治体において、マダニからSFTS発症ウイルスやシカなどの血清よりSFTSV抗体が見つかっており、全国的に広がっているようです。
北海道内で報告例があるマダニに咬まれることにより発症した疾患には、ライム病や回帰熱、さらに、昨年北海道にて死亡例がでた “ダニ媒介脳炎”などがあります。
北海道庁HPを参考に表にまとめると
ライム病・回帰熱はスピロヘータ(細菌)感染症であり、抗菌薬がありますが、ダニ媒介脳炎は日本脳炎と同種(フラビ)ウイルス感染症のため特効薬はなく、症状を抑える対症療法しかありません。
因みに、ダニ媒介脳炎はヨーロッパを中心に発症数が多く、予防ワクチン(日本では未承認製剤)があり、札幌市立病院など一部の医療機関にて接種が可能なようです。
単身赴任中の身の私、週末には山菜採りと思われる車を横目に日進峠を越える道中には【クマ出没中】の立て看板が・・旬の食材は美味しく、山菜を採るのも楽しいのですが、リスク管理はしっかりしましょう!!
YIC-Net&IICLC 今金町国保病院 山田光雄