吉田です
さて今回はお約束通り、細菌性胃腸炎が原因の急性胃腸炎です。
家族内や、集団生活が営まれる場で一時にたくさんの方が症状を出されると、『食中毒』って言われるやつです。
細菌性?ノロ、ロタ、タコはウイルスでしたよね!タコはちがうけど…
細菌による急性胃腸炎(とりあえず、以降は食中毒と書きます。そのほうがしっくりくるんですよ)には2つのタイプがあります。どちらも患者さんの口から入って症状を出してしまうんですが…。
① 毒素性食中毒
細菌が口から感染し、体の中で毒素を作って、それが悪さをするタイプ。あるいは食品中で細菌が作った毒素を食べて調子が悪くなるタイプ。
代表的なものは、大腸菌O157の出血性腸炎や黄色ブドウ球菌による食中毒。とりわけ恐ろしいのはボツリヌス菌による食中毒です。ボツリヌスは別として、大腸菌O157や黄色ブドウ球菌食中毒は八雲近辺でも実際、患者さんはいらっしゃいます。
② 細菌が体の中で増えて悪さをする食中毒
前々回アップされたカンピロバクターや腸炎ビブリオ、サルモネラ菌による食中毒がいい例です。細菌が口から入り、体の中で増えて悪さをします。
とにかくこんなもんを口に入れなきゃ良いんですね?どうすれば良いんでしょう?
ポイントは「口から入るのを防ぐ」ってこと。それは、「第3話」で…。
きゃ~!
ところで、食べてから症状が出るまでの時間と言えば、一般的には①のほうが②に比べ、短い傾向がありますが、それはそれ、♪いろいろ♪です。
そんなこんなで、症状が出ちゃうと病院へ駆け込む?運ばれる?事になります。
ここでお願い!
この手の病気は患者さんからの情報が大変重要です。
いつ何を食べて、いつごろからどんな症状が出て、どんな人たちが症状を訴えているかなど、医師にヒントをたくさん与えてください。
細菌の治療=抗菌薬というのが一般的な考えでしょうが、ほんとにこのケースで抗菌薬を使うべきなのか、使うとしたらどんな抗菌薬をつかうのかなど、治療方針の決定にも重要です。
いつ、どこで、だれが、なにを、どうした、どんなだった。作文とかと一緒ですね?
「とりあえず、急性胃腸炎ということで・・・次の方どうぞ~」
とならないためにも
きゃ~それだけは嫌ぁ~!
YICNet 八雲総合病院小児科医師 吉田