全国的にロタウイルスによる感染性胃腸炎が増加している昨今、皆様お元気ですか?
ネットサーフィンをしていましたところ、4月3日付、北海道新聞配信で食中毒の話が出ていました。
『食中毒症状 北海道の焼き肉店 5人からカンピロバクター検出』
ノロウイルス、ロタウイルスに目を奪われがちな我々ですが、細菌性食中毒も怖いですね。
カンピロバクターによる食中毒は、平成24年食中毒の事件数、患者数ともにノロウイルスに次いで第2位。
(下図・グラフ参照:厚労省資料より)
腸炎の成人散発例では10%前後、小児では約15~25%でこの菌が検出されているとのことですが、病院では『カゼでしょ』で済まされていることも多く実際の患者数はかなりの数に上るものと推察されるとの報告があります。
カンピロバクターは火の通し方の悪い肉を食べて感染することが多いですが、他にもペット、野鳥、野生動物などから感染することもあります。
主な症状は一般的胃腸炎症状で、多くの患者は1週間で治癒します。しかしながら、全部が全部、元気になりましたといかないのが病気の世界!重症化する方もおられます。
検査技師泣かせのカンピロバクター
外界では比較的、弱っちい菌であること。培養に手間がかかること。なかなか速やかに生えてくれないことなどから、カンピロバクターは検査技師泣かせです。
しかしながら一般的な細菌では10万個~100万個の食中毒菌を摂取することで発症するのに対し、カンピロバクターでは100~1,000個程度の摂取でも発症する例があります(弱いと性格ワルイは違うんですね)
カンピロバクター感染予防は・・・
①生肉は食べない。肉の調理では充分に加熱しましょう。
②生肉を扱ったら手洗いをしっかりして、調理器具の洗浄もしっかりしましょう。もちろん生肉を取り分ける箸やトングなどは専用の物を使いましょう。ちなみに箸を逆さまにして使うのはマナー違反です。
③冷蔵庫も過信しないよう。
④動物やペットと接触した場合、手洗いをしっかりしましょう。
これらは他の細菌性食中毒にも相通じることですね!
まだ寒いですが…北海道も『もうすぐ春ですね・・・』お花見の季節ですが、焼き肉パーティーで食中毒では悲しいですよね。
感染対策の基本である手洗いをしっかりして楽しい宴を!!
YICNet 今金町国保病院検査技師 山田