この世の中には、いろんなモノがありますよね?
感染グッズにもいろいろあります。最近特に新商品が目につきます。
中でも特に、除菌をうたう商品が多いです。
それだけ、みんなの関心があるんでしょうか?
誰かに「あれが良いわよ!」とか、TVとかでみのもんたみたいな人に、「奥さん!○○○試してみて下さい!」って言われれば・・・買ってみようかな・・・と思いますよね?
または、半ば強引に親戚に押し売りされちゃったり・・・
そこで・・・!
購入?(押し売りの拒否?)の参考とするかは皆さんの感性に委ねるとして・・・
「滅菌」「殺菌」「除菌」「抗菌」などの用語の表記の商品はどう違うのか…
まずは定義から・・・
「滅菌」
"滅"とは全滅の滅であり、滅菌といえば意味的には菌に対しては最も厳しい対応、ということになります。
つまり、すべての菌(微生物やウイルスなど)を、死滅させ除去することで、日本薬局方では微生物の生存する確率が 100万分の1以下になることをもって、滅菌と定義しています。
しかし、これは現実的には、人体ではあり得ない状況(たとえばヒトの手を滅菌するには、人体の細胞ごと殺さなければならないことになる)で、器具などの菌に対しての用語だと考えられています。
「殺菌」
文字通り「菌を殺す」ということを指しています。細菌を死滅させる、という意味ですが、この用語には、殺す対象や殺した程度を含んではいません。このため、その一部を殺しただけでも殺菌といえる、と解されており、厳密にはこの用語を使う場合は、有効性を保証したものではない、ともいえます。
また、この「殺菌」という表現は、薬事法の対象となる消毒薬などの「医薬品」や、薬用石けんなどの「医薬部外品」で使うことはできますが、洗剤や漂白剤などの「雑貨品」については、使用できないことになっています。
「消毒」
物体や生体に、付着または含まれている病原性微生物を、死滅または除去させ、害のない程度まで減らしたり、あるいは感染力を失わせるなどして、毒性を無力化させること、をいいます。
消毒も殺菌も、薬事法の用語です。一般に「消毒殺菌」という慣用語が使われることもあり、消毒の手段として殺菌が行なわれることもあります。ただし、病原性をなくする方法としては殺菌以外にもあるので、滅菌とも殺菌とも違うという意味で、使い分けがされています。
「除菌」
物体や液体といった対象物や、限られた空間に含まれる微生物の数を減らし、清浄度を高めることをいう。とされています。これは、学術的な専門用語としてはあまり使われていない言葉ですが、法律上では食品衛生法の省令で「ろ過等により、原水等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育し得る微生物を除去することをいう」と規定されています。
いろいろな商品で、この性能を訴求する商品もたくさん出てきており、除菌の方法も洗浄やろ過など、各分野でさまざまな意味づけが行なわれたり、それぞれ程度の範囲を示している、と考えられます。
たとえば、洗剤・石けん公正取引協議会が定義する除菌とは、「物理的、化学的または生物学的作用などにより、対象物から増殖可能な細菌の数(生菌数)を、有効数減少させること」で、この細菌にはカビや酵母などの真菌類は含まれません。
「抗菌」
これも、近頃では幅広い商品に謳われるようになりましたが、「抗菌」とは「菌の繁殖を防止する」という意味です。経済産業省の定義では、抗菌の対象を細菌のみとしています。JIS 規格でその試験法を規定していますが、抗菌仕様製品では、カビ、黒ずみ、ヌメリは効果の対象外とされています。
菌を殺したり減少させるのではなく、繁殖を阻止するわけですが、これも対象やその程度を含まない概念です。
雑駁ですがこんな感じです。
ってことで、今、巷で売れている「除菌・消臭剤」って商品は、「医薬品でもなく、医薬部外品でもなく・・・雑貨品なわけで」
「除菌」と言う言葉で巧みに売っているってことです。言い過ぎか
ただ、この中にも、殺菌・消毒効果はたしかにある商品もあります。が、だったら堂々と医薬品申請すれば?って思います。
まあ、申請する費用・手間で、「雑貨品」で売る方が儲けが良いんでしょうが・・・。
ノロの対処は・・・薬事法で「消毒」として、塩素系として、「適正濃度の次亜塩素酸ナトリウム」だけです。
「次亜塩素酸ナトリウム」=「次亜塩素酸ソーダ」これは同じものです。
他は違いますよ。
上記医薬品の適正使用の上で・・・
除菌をうたう「雑貨品」の使用について、否定はしませんが・・・肯定もしませんってとこでしょうか。
多分ですよ・・・
こういう商品を購入する方は、手洗い、マスク、などは当然行ってる方。感染対策に対する意識の高い方でしょう。
だからこそ間違って欲しくないです。
お手元の「雑貨品」は間違ってないのかもしれませんが・・・
いずれにせよ、数ある「雑貨品」の有効性、安全性のデータの蓄積が待たれます。
だったら・・・
ハイター、ブリーチなども「雑貨品」でしょ?
ってきますか?
でも・・・
「雑貨品」でも、主成分は「次亜塩素酸ナトリウム」ですよ。
ってことで、
「次亜塩素酸ナトリウム」に関しては違いがあり、薬事法上、医薬品に分類されている次亜塩素酸ナトリウム製剤と分類されていない製剤があります。「医薬品」か「雑貨品」かの違いありです。
「医薬品」は純度、添加物が厳しく設定されてます。
「雑貨品」は、品質、添加物ともに適当であり、消毒後は一度水洗いしてから使用すべきとなっております。
では「雑貨品」の台所用のハイターはノロの処理対応に大丈夫?
答えはもうおわかりですね。
いろいろな次亜塩素酸ナトリウム製剤の最終希釈濃度が同じであれば、消毒薬としての効果は特に変わりはないということです。
ただ市販のハイターは、衣料用や台所用など様々な種類があり、その用途に応じて次亜塩素酸ナトリウム以外の物質も入っています。そうした物質の混入の影響は少なからずはあると思いますが・・・。
現時点(現在)のノロ対処はこのようなことになっています。
今後は、「次亜塩素酸ナトリウム」に代わるモノがこの世に出てくるでしょう。
ノロよりやばいのが現れる可能性もありか・・・
今後の対策に役立つかな?
補足です・・・
二酸化塩素による除菌をうたった商品に関しては・・・
国民生活センターでも協議されてます。参考まで。
クリック →
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n20101111_1.html
YICNet 薬剤師 崎本