10月のやくも☆元気塾、今回は理学療法士の阿部が『体力測定』をテーマに話をさせてもらいました。
内容としては、血圧や脈拍などのバイタルサインのチェックから始まり、準備運動を行ってから、握力(筋力)、開眼片足立ち時間(バランス能力)、5m最大歩行速度(歩行能力)、Timed Up & Go (複合的動作能力)を測定するという流れでおこないました。
講義では、なぜ定期的な体力測定が大事なのか、皆さんに説明させてもらいました。
なぜ大事なのか...。人の身体機能は、基本的に筋力では20歳から1年ごとに1%低下するといわれています。スポーツなど運動を定期的に行っている方は少ないのですが、年齢を重ねると身体機能と運動イメージにいわゆる乖離(かいり)が出てきます。もっと簡単に言うとギャップ(差)が生まれます。
良くあるのは、「子供の運動会に参加したお父さん」の例です。普段はデスクワークの多い運動不足のお父さんが、運動会で急に走ることになって、運動イメージは若い時のままで、いざ走ってみると身体機能はそれに見合わない。結果、テレビによく出る面白ホームビデオにあるような、頭が先に突っ込んで足が後方に残ってしまい前方へ転ぶという現象となります。
これは、先に述べた現在の自分の身体能力と運動イメージにギャップがあるからです。年齢が若い方でも、階段で足先がひっかかる、タンスの角に小指をぶつけるなどがあります。高齢になればなるほど、この差が大きくなるといわれています。データ的に顕著に表れてくるのは、定年を迎える60代中頃と言われています。
そこで、今回のような定期的に自分の身体機能の知識をアップデート(更新)が必要になってくるのです。何気ない準備運動から「右の肩が重いなあ」「こんなに背中が伸びないんだ」など普段意識しないような身体の色々な所を感じてもらい、気づいてもらいながら行ってもらいました。
また、参加された皆さんには、実際に身体測定を通してそれぞれの意味を知ってもらい、実際に計測した数値を知って、周りで見ている人から「体が斜めになっている」「歩くの早いね」など気づいたことを言ってもらうことで、身体機能の知識のアップデートを促してもらいました。
なぜ『体力測定』が必要でなのか、お分かり頂けたと思います。普段運動不足で何もしていない方は、転倒して怪我する前に、一度自身の体を点検してみては如何でしょうか?