リハビリテーション室主催の介護予防教室「やくも☆元気塾」を担当している理学療法士の小岩です。今回は今年のやくも☆元気塾のテーマ「ウェルビーイング(Well-Being))についてお話しします。
ウェルビーイング(Well-Being)とは、良い(Well)+状態(Being)を組み合わせた言葉で、それぞれの人の「良く生きるあり方、良い状態」を意味します。この言葉は企業経営や働き方、街づくり、健康・福祉など幅広い分野で使用されており、あらゆる分野で適応可能であるため厳密な定義がありません。
医療・福祉分野で用いるならば、身体的・精神的に健康な状態にあるだけでなく、社会的・経済的に良好で満たされている状態にあることを意味する概念といったところでしょうか。
このテーマで元気塾を開催するようになって2か月になりますが、そもそも「良い状態」にあるかどうかの判断は主観であり、だからこそ「良い状態」になるための秘策は本人が編み出さなければならず、毎月の元気塾で参観者とお話ししても雲を掴むような雰囲気になっています。何しろ主催者の私も「良く生きるあり方、良い状態」であるための秘策がつかめていないので、参加者の皆様と同時に学んでおり、まだまだ手探り状態です。
なぜ今年の元気塾のテーマをウェルビーイング(Well-Being)にしようと思ったのか?
元気塾の参加者はもれなく介護予防への意識が高く、実際に介護予防のサロンや教室に参加している方たちばかりです。そして後期高齢者が多く「人に迷惑をかけたくない・認知症になりたくない」一心で介護予防に取り組まれています。
しかし、どんなに努力しても加齢による機能低下は100%防ぐことは不可能です。元気塾の参加者は介護予防のための努力はしているので、出来なくなる事は少ないかもしれませんが、徐々にやりにくくなってくる事が増えてくることは容易に想像出来ます。
そんな時に「一生懸命努力したのにちっとも報われなかった」と思って欲しくなく、どうにかして「思い通りにならなかった自分」であっても「良い状態」で生きていく秘策を見つけていくためのお手伝いをしたくて、今年の元気塾のテーマをウェルビーイング(Well-Being)にしようと思いました。
まだまだ始めたばかりで私も何をどうやってお伝えしようか毎月悩んでいます。でも参加者の皆様は拙い私の話を真剣に聞いてくれています。「より良く生きるって、ほどよく生きることかしら?」と自分なりのイメージを掴みかけてくれている人も出てきました。
このウェルビーイング(Well-Being)というテーマは、高齢者だけでなくそれこそ老若男女、老いも若きもすべての人が考えるに値するテーマだと思います。この話を聞いて心がモヤっとしたら、私と一緒にウェルビーイング(Well-Being)について考えてみませんか?
やくも☆元気塾は毎月第1‣3火曜日午前10時から八雲総合病院リハビリテーション室で開催しています。事前予約の必要はありません。どなたでも参加できますので、沢山のご参加お待ちしております。