今回は腱板損傷の障害予防についてです。
より長く・安全にスポーツを楽しむためには、筋力トレーニングやストレッチを普段から実践し、日常的にケガを予防することが大切です。生活場面でも無理な動きを避ける・肩に負担の少ない姿勢を維持することも重要になってくるでしょう。今回紹介する内容を参考に障害予防に取り組んでみましょう♪
まず、腱板とは肩関節周囲の4つの筋(棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋腱、肩甲下筋腱)で構成され、肩関節の円滑化や安定性に重要な役割を果たしているものです。
スポーツ場面における腱板損傷の原因として考えられるのは、
・選手同士、物への接触などで生じる外傷的な要因(ラグビーなど)
・腱板に負担のかかる動作を繰り返し行うことで生じる慢性的な要因(野球やテニス、バレーボールなどのオーバーヘッドスポーツなど)
・加齢に伴う軟部組織の退行変性の影響で生じる場合
以上に分けられます。
症状としては、肩関節の痛み、可動域制限、筋力低下などが挙げられます。痛みに関しては炎症、腱板周囲の摩擦や圧迫、損傷部の伸長などで起こると言われていますが、痛みが生じない場合もあります。その結果、スポーツ場面でのパフォーマンス能力低下を引き起こすだけではなく、日常生活にも影響が出てきてしまうことも少なくありません。
治療としては、保存療法と手術療法のどちらかが選択されます。保存療法は薬物療法、注射療法、リハビリテーションなどが挙げられます。症状の改善が見込まれない場合や断裂の程度などにより手術療法が選択されます。
予防としては、以下のものが挙げられます。
・筋力増強運動:腱板筋や肩関節周囲筋の運動を行います。また、広背筋や僧帽筋など背中の筋の運動も行うことで肩の安定性を高められます。
・関節可動域練習(ストレッチ):肩関節の可動域練習、肩甲骨や脊柱などの肩関節周囲の可動域練習も行います。
・日常生活動作練習:日常生活や職業上において、損傷部に負担がかかる動作は極力避けるように指導します。また、猫背や巻き肩などの姿勢は肩関節に負担がかかるので姿勢指導も行います。
以上、簡単ではありますが腱板損傷の障害予防について説明しました。日常的にケガを予防し、スポーツを楽しみましょう。
※上記のような症状がある場合は、自己判断せずに病院受診をすることをお勧めします。