こんにちは。理学療法士の長谷です。
皆さん!突然ですが、「推し活」していますか?
「推し活」とは、自分のイチオシを決めて応援する活動全般のことを言います。2021年の流行語大賞にノミネートされるほど、最近認知度が上がってきています。
「推し」の対象は、アニメやゲーム、漫画のキャラクターをはじめ、アイドル・俳優・声優・スポーツ選手・歴史上の偉人などの三次元の人物、さらには鉄道や建造物、動物といった人物以外も対象となる幅の広さがあります。
〇推しのアイドルのコンサートに行って応援する!
〇推しのキャラクターのグッズを集める!
〇推しの動物のぬいぐるみで部屋を飾る!
〇推しの良いところを色んな人に広める!
などなど、「推し活」もいろいろな楽しみ方があります。
さて、何故このような話をしているかと言いますと、先日当院に入院している患者様の「推し活」に触れる機会があったからです。
患者様の推しは演歌歌手の山内惠介さん!(以降惠ちゃんと呼びます笑)
病室にはうちわやペンライトなど推しグッズを飾り、大変な入院生活を少しでも楽しく過ごせるよう工夫していたそうです。
リハビリに向かうために迎えに行ったとき、「起きたって疲れるだけ」「もうお先真っ暗なの」とベッドから起き上がることも消極的でネガティブな発言も多かったのですが、ペンライトを見つけた僕は、惠ちゃんの話題を振ってみたところ、途端に饒舌になり一人でムクッと起き上がりました。
その後、ペンライトを片手に出療!リハ室にあるパソコンでYouTubeを開き、惠ちゃんのミュージックビデオを流して一緒に応援しながら鑑賞しました。
あんなに車椅子に乗ることを嫌がっていた方が、惠ちゃんの前では背すじをシャンと伸ばして綺麗に座っていました!
さらに、運動を頑張っていた他の患者様の中にも惠ちゃんのファンだという方がおり、いつの間にか一緒に応援しながら「推し」について語る交流の場となっていました!
あぁ…「推し」のパワーってすごい!
このように「推し活」には色々な事をする動機づけにもなります。これは介護予防にも効果があるのではないかと思っています。
例えば、「推しについて詳しく調べて覚える」ことで記憶力のトレーニングにもなりますし、「推しに会うためにコンサートに行く」ことで外出という運動機会を得ることが出来ます。また、その場に一緒に行った人やそこで出会った仲間達と「同じ推しについて語り合う」という社会交流の場にもなり得ます。
これは身体的・認知的・社会的フレイル全ての予防に大きく貢献しているのでは?!と思うのです。
実際、「推し活」を行なった事で要介護度が3から1に改善したという事例報告も目にします。
やっぱり推ししか勝たん!と言う元気な高齢者の方を見る日もすぐそこではないでしょうか?
まだ、「推し」がいないそこのあなた!推すものは何でもいいのです。ぜひ推しを見つけて「推し活」をしてみてください!きっとまだまだ長い人生がもっと色づきますよ☆
それでは、皆さんもレッツ!推し活!!
※ちなみに星好きの僕の推し星座は「いるか座」です。小さくて可愛い形をしていますが、暗い星ばかりで見つけにくく、皆さんのイメージするイルカとは違った姿の神話の生物です。他にもいろんなジャンルの推しはいっぱいいますが、語ると長くなるのでまた別の機会で…汗