前回は「ゴールデンエイジ」についてお伝えさせていただきました。
今回は「ゴールデンエイジ」期に必要とされる運動能力について説明したいと思います。
●身体能力を左右するコーディネーション能力
コーディネーション能力は脳の信号を体の動きへとスムーズに伝えられる能力のことを表し、リズム能力・バランス能力・変換能力・反応能力・連結能力・定位能力・識別能力の7つの能力から構成されます。次に、簡単に説明していきます。
1. リズム能力
対象が動くタイミングをつかみながら、自身が動く力のことを言います。「縄跳び」はリズム能力を問われる運動の一つで、縄を回すタイミングと跳ぶタイミングを合わせることが上達のポイントと言われています。上手に跳べない子どもの多くは、縄の回転とジャンプをするタイミングがずれることによって縄が足に掛かってしまうようです。
2. バランス能力
体の重心が移動しても、自分の姿勢を正しく保つ力のことを言います。例えば「サッカー」ではドリブルでフェイントをかける際、体を動かしながらもバランスを崩さないことで相手を抜いていくことができます。
3. 変換能力
周囲の状況に合わせて動きを切り替える力のことを言います。サッカーのドリブルなどで、相手をかわしながら前へ進んでいくイメージです。
4. 反応能力
何らかの合図に対し、素早く動作で反応する力のことを言います。小学校の運動会の徒競走などスタートダッシュの出来次第で順番が決まってしまう場合もあります。
5. 連結能力
関節や筋肉の動きをタイミング良く無駄なく動かす能力と言われています。走りながらのボールコントロール、サッカーやバスケットボールのドリブルが上手にできるようになります。
6.定位能力
自分の位置や相手の位置を正確に把握する力のことを言います。ボール運動においては、ボールのスピード・強さ・落下地点などを予測する能力にあたります。
7. 識別能力
道具を上手に操作する力のことを言います。例えば、新体操のようにさまざまな用具を巧みに扱うことが求められるスポーツでは識別能力を高めることが大きくプラスに働きます。
これらのコーディネーション能力は、ゴールデンエイジはもちろん、時期を過ぎてしまってからでも高めることは可能と言われています。
また、これらの能力は決して単一の動き(スポーツ)で培われるものではなく様々な動きを通して身についていくものと言われています。実際、オリンピック選手では複数の運動種目の経験をしているようです。
複数の競技を行うことはなかなか難しいと思いますが、多種多様な能力の獲得を様々な運動を通して養い、健康的な体を目指してみてはいかがでしょうか。