9~12歳の皆さん、この年代の子どもがいる親御の皆さん!
子どもの身体能力が発達しやすい時期「ゴールデンエイジ」知っていますか。
〇最近、子どもの運動不足や体力低下といった問題から「ゴールデンエイジ」期の子どもへの働きかけが注目されている。
「ゴールデンエイジ」は9~12歳頃を差し、この時期に運動経験を積むことで飛躍的に運動能力が向上すると言われています。
図のように、神経機能は5歳頃までに約80%、12歳頃にはほぼ100%形成されると提唱しています。
図:アメリカの医学者スキャモン「発達・発育曲線」より
つまり、神経機能が著しく発達する「ゴールデンエイジ」期はもちろん、乳児期からあらゆる運動や遊びを体験させることが大切です。
また、運動は身体の成長に繋がるだけでなく生活への意欲や自己肯定感を育み、心の発達も促します。
〇「ゴールデンエイジ」期の爆発的な成長はスポーツ界でも注目されている
より飛躍的な心身の成長を目指す場合には、子ども一人ひとりの発達段階に合ったスポーツや遊びを提供することが重要です。筋力については、まだ未発達のため「スピード」「強さ」よりも、基本となる技術の習得が推奨されています。
〇体力がある子どもとない子どもの格差も広がっている
日本の子ども達の体力は昭和60年頃から低下傾向で、「走る」「ジャンプする」「投げる」といった運動機能を獲得していない子どもが増えています。これは、子ども達の身体づくりにおける課題が浮き彫りになっていること、外遊びの機会が減っていることが影響しているとされています。
また、どの年代においても1日の運動・スポーツ時間が長ければ長いほど運動能力が高いという結果も発表されており、「ゴールデンエイジ」期の意識的な働きかけが注目されていると言えます。
参考:文部科学省 「体力・運動能力調査」
〇文武両道?
スポーツ庁「体力と学力の関連についての分析事業」を受け、岐阜大学と多治見市(他3市)が共同で行った調査では、「小学生は、体力が高いほど学力も高い傾向にあるので、小学生期の運動やスポーツは重要」であることがわかりました。これは、ただ単に運動すれば学力が上がる、あるいは勉強すれば運動能力も上がると結論づけているものではありません。
図:多治見市教育委員会 教育研究所
大切なのは、子どもの生活習慣の中に、適切な運動習慣・学習習慣を定着させることです。何でも吸収するスポンジのような脳を持つ「ゴールデンエイジ」期は、こうした「習慣づけ」を行うのに最適な時期と言えます。
こどもロコモや運動不足、体力低下が懸念されている現在。「ゴールデンエイジ」期に身体の成長、心の発達を促進するためにも、運動を始めてみてはいかがでしょうか?
「ゴールデンエイジ」期に必要な能力について次号で説明したいと思います。