井平光先生を講師にお迎えする「ふるさと講演会」、3回目は昨年12月27日に開催されました。
今回のテーマは「臨床家が陥る研究の罠〜罠にはまって罠から出よう〜」。
我々リハビリテーション専門職の仕事は、
①対象者の方に直接関わる「臨床」
②後輩や学生を育成する「教育」
③仕事の効果を明らかにする「研究」
この三つに分けられます。
当リハビリテーション室は、「研究の罠」にはまってすらいない者が大半です。
研究への向き合い方を九つの視点から概説して頂き、更にコンピュータを使った統計処理の入り口を参加者全員で実践してみました。
分かったつもりで全然理解できていない「統計」。難しくて食わず嫌いになっている「統計」。
先生の用意した膨大な量のデータを、無料で入手できるJASPというソフトウェアを使うと、データ同士に差があるのか関係があるのか等々、数回クリックするだけで結果が表示されてしまいました。
余りの簡単さに会場がざわつきました。歯を食いしばって悩まなくても、ゲーム感覚で統計処理できたものですから。
出てきた結果の理由をどう考えるのか?
そもそもデータ同士の何を知りたいのか?
どの処理方法が最適なのか?
統計の奥はまだまだ深いのですが、入り口の敷居は驚くほど物凄く一気に下がりました。食わず嫌いとか言っている場合ではなくなりました。
JASPを使った統計処理の他に、個人的に印象に残ったのが「研究を毛嫌いする臨床家への提言」。毛嫌いする程じゃなくても、敬遠している臨床家は多い筈。
それに対する先生の言葉は「臨床を毛嫌いする研究者を見てどう思いますか?」。
改めて、我々リハビリテーション専門職の仕事は、
①対象者の方に直接関わる「臨床」
②後輩や学生を育成する「教育」
③仕事の効果を明らかにする「研究」。
進んで罠にはまるしかありません。
今回も、難しい事も厳しい事も楽しさで包んで、分かり易く優しく伝えて頂きました。
井平先生、お忙しい中、有難うございましたm(_ _)m。