こんにちは、理学療法士の佐藤匡未です。
皆さんは、OD:Orthostatic Dysregulationって知っていますか?日本語にすると「起立性調節障害」といいます。立ちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴う、思春期の子供たちに好発する自律神経機能不全の一つです。重症例では、自律神経による循環調節が障害(特に下半身、脳への血流低下)され日常生活が著しく損なわれ、長期に及ぶ不登校状態や引きこもりを起こします。最近では、学校生活やその後の社会復帰に大きな支障となることが明らかになってきており、社会問題化しています。
リハビリテーション室では当院小児科医師と連携し、症状の軽減や改善を目指し外来リハビリを行っています。ODは、悩まれているお子さんが孤立し、より症状が悪化するという悪循環が一つの大きな問題であり、周囲の理解がとても重要といわれています。そこで、私たちはODについて地域の皆様に理解を広げる活動を積極的に行っています。
先日、今金中学校で行われたODについての講演会に参加してきました。当日は、どんな方々にお会いして、お話を聞いていただけるか、ドキドキしながら現地に向かいました。到着すると、新しい木の温もり感じる素敵な校舎。お話を聞くと今年の4月からの新校舎だそうで、とてもおしゃれな造りの学校でした。会場にはたくさんの聴衆がいらっしゃいました。
最初に「起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation)ってなんだ?」という当院小児科、吉田雅喜先生による御講義。先生の分かりやすい説明に聴衆の皆様は熱心にうなずいていました。続いて、佐藤陽人理学療法士によるリハビリの紹介。特に、対象者の興味に応じて多彩な対応を行っていることなどをお話ししました。何よりも印象的だったのは、皆さんの講義に対する真摯な姿勢。終了後は様々な質問が挙がり、とても良い講演会となりました。
講義の様子
今回、行き帰りと講師の先生とご一緒させていただき、帰りの車の中では、ODの今後について、会場の熱を引き継いだ白熱した議論で盛り上がりました。私もリハビリスタッフとしてもっと皆さんのお役に立てるよう決意を新たにした夜でした。
チームODバスターズ