スーパーにかぼちゃ等がお値打ち価格で並ぶようになってきて、秋を感じる季節となりました。当院の畑も後片付けをして、今年の農作業もそろそろ終わりを迎えます。
こんにちは、作業療法士の佐々木です。私はもともと忘れっぽい性質なのですが、何気なく置いたスマホをどこに置いたか探すことが出てきました。それまでの行動を思い返して場所を辿り、その度に「定位置にしまう」ことの大切さを痛感します。現在は、何か忘れたと事があっても世に出ている情報であればググって調べる事が出来るため、インターネットに依存しているな~とも感じます。
そんな体験を通して、今回は加齢による記憶への影響について簡単に説明したいと思います。
下の図のように記憶も様々ですが、加齢による影響を受けやすいもの、受けにくいものがあります。
記憶の種類 | 特徴 | 加齢の影響 |
短期記憶 | 数秒~数分の間覚えておく記憶 | 殆ど影響なし |
作業記憶 | 短い時間、あることを記憶にとどめておくと同時に、認知的な作業を頭の中で行う記憶(例;数字の逆唱) | 顕著に影響する |
エピソード記憶 |
ある特定の時間と場所での個人にまつわる出来事の記憶(例;朝食で何を食べた、昨日の服は何を着てた) | 顕著に影響する(成人期~衰退) |
意味記憶 |
誰もが知っている知識についての記憶 (例;消防車の色は赤、日本の首都は東京 など) |
殆ど影響なし |
手続き記憶 |
学習された運動技能の記憶 (例;自転車に乗る、スポーツにおける技能など) |
影響なく維持 |
展望記憶 |
将来に関する記憶 (例;友達と会う約束の時刻・場所、特定の時間に薬を飲む など) |
影響する |
認知症の治療でも、残っている能力を見極めて活かしていくことがとても大切になってきます。
※出所:厚生労働省 認知症を理解する
老化は誰もが経験していく過程ではありますが、大切なものは場所を決めて収納する、スケジュールはカレンダーやスマホのスケジュール機能を利用する、新しいことを覚えるには繰り返し学習する等の工夫をしながら、健康な状態を長く保つために楽しんで頭と体を使っていきたものです。