こんにちは、精神科作業療法士の佐々木です。当院の畑の夏野菜も終わりを迎え、ずいぶんさっぱりして秋を感じます。朝晩寒いので、からだを冷やさないように体調管理していきたいですね。
認知症の原因として最も大きな割合を占めるアルツハイマー病。先日のブログでは、アルツハイマー型認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)についてお話させていただきました。
MCIの段階で主として低下するのが、以下の3つと言われています。
・エピソード記憶
➡出来事を記憶して思い出す記憶
・注意分割機能
➡いくつかの作業を並行して行うときに、適切に注意を振り分ける機能
・計画力(思考力)
➡行動の目標を決めてうまくできるように計画を立て、効率よくできるように管理する能力
例)
自分で電話番号を調べ、電話をかける
貯金の出し入れや、家賃の公共料金の支払い、家計のやりくりをする
決まった量、決まった時間に薬を飲む
バスや電車で、または自分で車を運転して出かける など
この3つの機能を刺激する介入を行うのが良いと考えられています。
アルツハイマー型認知症は、脳内でどのような現象が起きているかというと、アミロイドβタンパク質というたんぱく質が脳内に長い年月を経て蓄積し、発症に至ると考えられています。そのため、物忘れが気にならないうちから危険因子の少ない生活を送ることによって、アミロイドβタンパク質の蓄積のスピードを遅らせることがもっとも理にかなった予防といえます。
アルツハイマー型認知症に影響する因子としては、以下の4つが大切だと言われています。
①食生活
②運動
③知的活動
④社会ネットワーク
では実際にはどんなことをしていけば良いのでしょうか?
次回のMCI その③でこの4つについて詳しくお伝えしたいと思います。