皆さんこんにちは!理学療法士の坂田です。
最近は少しずつ暖かくなり、あんなに多かった雪も解けてきて、過ごしやすくなってきましたね。
回復期リハビリテーション病棟では、心身ともに回復した状態で自宅や社会へ戻っていただくことを目的として、集中的にリハビリテーションを実施しています。
リハビリをしていく中で患者様から「杖でもたくさん種類あるのね」や「今まで使っていた杖で大丈夫かしら」といった質問を受けます。患者様の体の状態(筋力低下、体力低下、痛みなど)、使用場所によって歩行補助具も異なってきます。そこで、今回は歩行補助具である杖についてご紹介していきたいと思います。
杖の種類として以下の5つが挙げられます。
単脚杖(T字杖など)
障害がない高齢者、筋力低下やバランス能力低下による転倒防止などのために使用されます。屋内・屋外どちらも使用可能です。不要なときにバッグ等にしまえる折りたたみ式もあるため、持ち運びも便利となっています。
多脚杖(四点杖など)
地面に接する杖の先が3点または4点に分かれている杖です。単脚杖に比べると支持面が増えるため、安定性が高まります。しかし、すべての脚が接地するように真上から杖をつかないと不安定となるため、屋内での平らな場所では安定しますが、坂道や凹凸のある屋外では安定しないことがあります。
歩行器型杖(サイドケイン)
多脚杖より支持面が増えるため、さらに安定性が高くなります。屋内の立ち上がりの補助の役割もすることが出来ます。多脚杖と同様にすべての脚が接地するように真上から杖をつかないと不安定となるため、屋外での使用は不向きとなっています。
ロフストランドクラッチ
カフ(前腕支持部)とグリップ(持ち手)で体重を支持します。単脚杖より安定性が高く、多脚杖よりも接地面が少ないため操作性が高くなっています。握力が衰えている人や腕の力が弱い人に適しており、屋内・屋外どちらも使用可能です。
松葉杖
脇当て、グリップ(持ち手)で体重を支持し、脇と手で体重を支えるため、ロフストランドクラッチより安定性が高いです。痛みが強い場合や骨折などの整形外科疾患において、足に体重をかけないようにする目的で使用することが多いです。屋内・屋外どちらも使用可能ですが、凹凸のある場所では注意が必要です。
杖の種類によって使用用途が異なるため、回復期リハビリテーションのスタッフは体の状態と環境を考慮して杖のアドバイスをしています。
何かお困りのことがあれば、当院リハビリスタッフにお声掛けください。