皆さんこんにちは。理学療法士の安井です。最近では気温が暖かくなり始めましたが、噴火湾の水温は全く上がらず、魚が全然釣れていない今日この頃です(笑)皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
今回はタイトルにもあるように、たばこと肺の関係性や肺の病気についてお話させていただきます。
いきなりですが、みなさんはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)をご存知でしょうか?あまり聞きなれない単語と思います。
先日参加してきた勉強会で深く取り上げられた話題なのですが、数年前の国の調査だと、COPDを知っている人は30%にも満たないそうです。
COPDは肺の生活習慣病といわれるほど、原因の90%以上が喫煙 によるものといわれています。たばこの中に含まれる有害物質が長期にわたって肺を刺激すると、細い気管支などが炎症を起こし、「咳」や「痰」が多くなります。その結果、気管支が狭くなり、空気の流れが悪くなるとされています。
症状が悪化すると、気管支だけでなく、肺胞(血液に酸素を送り込む所)にも害が出てきます。肺胞が悪くなると、空気を上手く吐きだせなくなり、その結果酸素不足を起こし、息切れを起こす病気になります。
先ほど言ったように、COPDの認知度は低いですが、70歳以上の6人に1人がCPODになるといわれている、よくある病気とされています。更に、COPDの人はそうでない人に比べ、約10倍肺癌になりやすいというデータもあります。また、今流行しているコロナウイルスも肺の機能が衰えていると罹患しやすく、重症化しやすいといわれています。
たばこは体に良くないと話してきましたが、自分が肺の病気になる確率はどのくらいなのか、気になった方も多いと思います。
ここで紹介したいのが、喫煙指数(ブリンクマン指数)といわれるものです。これは、COPDに限らず、肺癌や他の肺の病気のリスクを求めることができるとされているもので、
一日あたりの本数×喫煙年数=喫煙指数
例)15(本)×40(年)=600
と、簡単に計算することができます。
この計算で出た値が
・400以上→肺癌のリスクが上昇
・600(700)以上→CPODのリスクが高度、肺癌リスク高度
・1200以上→咽頭癌リスク高度、たばこを吸わない人と比べ肺癌リスク6.4倍
となります。あくまで、リスクなので、必ずしも数値を超えたから病気になるという話ではありませんが、「ちょっと危ないな」と思っていただければなと思います。
たばこが原因である肺疾患の場合、治療の第一選択が、禁煙になります。一度失われてしまった肺機能は、元通りになることはありませんが、禁煙をすることで、 悪化を防ぐことが出来ます。
たばこを吸う事が「悪」というわけではありませんが、この機会に一度、たばことの付き合い方を考え直してみるものいいかもしれませんね。