皆様こんにちは。
今回のブログは、研修会参加についてお伝えいたします。
10月6日、札幌市において、病院事業経営実務研修会が開催され、経営企画課職員2名で参加しました。
研修会では、地方財政や公営企業としての公立病院の位置づけ、公立病院改革について説明があり、基礎的事項の再確認を行うことができました。
講義の3コマ目では、当院でも以前お世話になった 茨 常則 氏(日本医療文化化研究会主宰・総務省地方公営企業等アドバイザー)からご助言を頂きました。
印象的なコメントをいくつかご紹介します。
○ 病院経営や診療報酬改定への対応に当たっては、時としてマクロの視点を持っていただきたい。厚生労働省関係の資料を読み解くことは大切だが、時間を確保し、財務省が作成・公表している資料を読み解くことで、医療制度の大まかな方向性もうかがい知ることができる。財務省資料は、医療との関連性が薄いと感じられるだろうが、国の財政運営の方向、各種改革の工程表に照らしてみれば、医療との関わりが見えてくる。社会保障制度は、政治に大きく左右されることを今一度確認いただきたい。
○ 人口減少・少子高齢化が今後も大幅に進み、税収減、社会保障費の大幅増が進むことはだれでも予測できる。国家財政のプライマリーバランスの観点から、あらゆる歳出が削減されることとなるだろう。平成30年度に予定されている医療・介護同時改定は、一定のインパクトを与えるものと予測されるが、むしろ、今後5年後、10年度の制度改定においては、当然、今以上に人口減少・少子高齢化にスポットを当てた改定となり、予想以上のインパクトになるのではないか。
○ 医療の更なる産業化が進められようとしている。国民皆保険制度など、この国の国民であれば、誰もが平等に医療が受けられることを国民は当たり前に享受できているが、どの国も経験しえない人口減少、少子高齢化が進行する中で、どこまで医療をはじめとした社会保障制度を堅持できるのか。確証を持って言えないが、現在の財政措置水準が未来永劫続かないという前提に立って医療施策を展開するべきではないか。
厳しい状況が続く公立病院ですが、公立病院が担うべき医療というのも当然あろうかと思います。小規模な自治体であればあるほど、地域社会における不可欠なインフラとしての公立病院が果たす役割は、決して小さなものではありません。
医療の質向上、地域住民からの信頼の獲得、収益の確保、新たな医療資源への投資の好循環を作り出せるよう、当院も勇気をもって前進したいと思います。
(竹)