7月より八雲総合病院の「嚥下食」が新しいものへと変わりました!
当院では嚥下機能が低下した方に対して嚥下食を提供しております。
嚥下食の構成には日本摂食・嚥下リハビリテーション学会の「嚥下調整食の学会分類2013」を活用しています(下記のピラミッド)。
より良い嚥下食を提供するために、食べる(摂食・嚥下)機能を評価している言語聴覚士の皆さんと一緒に検討を重ねてまいりました。
例えば、嚥下開始食にて提供している嚥下訓練食品のゼリーなどを作る際には1g単位で違いを比較し、柔らかさだけではなく
・柔らかい(吸引が容易)
・均質
・付着性が低い
・凝集性が高い
・離水が少ない
・スライス状にすくうことが容易
・丸呑みすることができる
など、様々な事に配慮しながらより良くなるように検討しました。
同様の物性の食品を市販で購入される場合、消費者庁の
「特別用途食品-えん下困難者用食品-」 を選択するのがおすすめです。
目印としては「特別用途食品」のマークがついたものです。
↓このマーク!
嚥下機能が低下している方はむせたりしやすい状態にあります。
そのため、嚥下開始食を食べられる方には、むせた後の危険性を避けるためにも
「たんぱく質含有量が少ないゼリーを選びましょう!」。
特別用途食品におけるたんぱく質含有量が少ない市販のゼリーは「エンゲリード」です(上記の写真)。
エンゲリードが問題なく食べられるようであれば、ある程度たんぱく質含有量がある他の特別用途食品のゼリーに進んでみると良いでしょう♪
嚥下食も段階が進むにつれて通常の食事に近づいてきます。
嚥下3度食
嚥下移行食
普通のお粥には特有のネバつきがありますが、唾液と混ざり合うとそのネバつきがサラサラになってむせの原因になりやすいです。嚥下食のお粥では、それらを解消するためにお粥に酵素を混ぜています。酵素でネバつきを無くし、ゼリーの様にまとめることでむせにくいお粥を提供しています。
おかずに関しても、へらでつぶしてみたり、スプーンでつぶしてみたり、フォークでつぶしてみたり、ミキサーにかけてみたりと、その食材に適したつぶしかたは何かという所から検討しました。調理の仕方によっても食材の物性は変化しますので、より適した物性で提供するように心掛けています。
これからも、見た目や味付けなどに配慮しながら、安心・安全にお食事が提供出来るように検討を重ねていきたいと思います。