八雲総合病院精神科は、道南で唯一、総合病院において病床を持っている精神科です。従来の精神科医療と異なり、昨今は患者さまの高齢化、多様化により、総合病院精神科の必要性は増すばかりですが、実際には精神科病床を有する総合病院は減少の一途です。当科は北渡島檜山管内だけではなく、道南の身体的合併症を持った患者さまに対応しております。
病床数は開放病棟30床、閉鎖病棟70床の計100床です。外来は1診体制で、午前のみの診療となっており、予約制はとっておりません。また、安定している患者さまに対しては、月に2度、火曜日に今金国保病院にてサテライト診療を提供しております。常勤医師2人、非常勤医師1人で外来診療を行っております。
当科の理念の第一は、継続的に存在しつづけ、精神科医療を提供できるようにするということです。第二の理念は、患者さまを害せず、普通の精神科医療を普通に提供するということです。地域の精神科であるため、大学病院や大都市の病院のような特別な医療や専門性の高い事を目指すと、継続性等に問題が起こります。当科は、安定して一定のレベルの精神科医療を提供できればと考えております。
患者さまには、自分の疾病のことを良く理解し、より良い医療が受けられるように努力して頂きたいと思っております。自身にどのような症状があり、何を理由に診断され、その標準的な治療はどのようなものがあり、どのような治療計画に基づき治療を受けているかを理解していただきたいです。残念ながら、時に他院から受診されたケースで、自身の診断名や診断根拠、どのような治療を受けているか全く知っていない例が散見されます。このようなケースで医療を提供することは、途中まで出来上がった建物の建築を設計図なしに引き継ぐことと同じになり、時に患者さまに害を与えることになりかねません。治療の主役は患者さまなのであり、医療者側はそのお手伝いです。どうか、我々を最大限に利用して、自身の健康を守っていただければと思います。
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