RSウイルス感染症について
カテゴリー:お役立ち~RS(アールエス)~ 2014年12月16日

吉田です

せんだって今金国保病院 山田検査技師よりRSウイル感染症(RS)に関するブログアップがありました。
   ↓↓
http://hosp.town.yakumo.hokkaido.jp/modules/yic_blog/index.php page=detail&bid=232

先日彼が言ってました。
『RSに関するブログ記事、古いよね!新しいもの、わかりやすいものほしいよね!』

確かに!
そこで再度、書かせていただきます。

RSウイルスについて・・・

RSウイルスはインフルエンザウイルスの親戚のようなウイルスです。
しかしちょっと違う性質をもっています。
(ウイルス学的な説明を語れば熱くなり長くなるので割愛しますが)

1)いつ流行るのか?

冬ですね。インフルエンザの流行に先立って、あるいは似た時期に流行が始まります。
流行は毎年、律儀にはやります。

2)RSに罹って困る人は?

乳幼児(特に1歳以下)、高齢者です。
乳幼児では1歳までに約70%、2歳までにほぼ100%罹るといわれます。
高齢者でも時として重症化します。

3)どんなふうに困るのか?

RSは一生で何度もかかりますが、特に一番最初の感染は困りものです。
約1/3で気管支炎、細気管支炎、肺炎など、結構つらい症状を示します。
高齢者ではひどい肺炎になることもあります。(この辺は今金国保の庄田先生が詳しいですよ!)
学童、青壮年層はちょっとした鼻かぜ程度のことが多いと言われます。

4)症状は?

今回は年少児に関してのみ書きます。
熱、鼻水、咳、ゼーゼーですね。
じゃ、どれほどひどいか?
年少児を中心に年間5~8万人が入院しているとのことです。インフルエンザの入院の10倍だそうです。(植村ら 日本小児救急医学会雑誌 2(2): 7­10, 2003)

5)検査、診断は?

乳幼児で熱がある、咳がひどい、水のようなサラサラした鼻水が多量にでる、ゼーゼーするなどの症状があれば、まずは疑います。
血液検査では『これはひどい!』という値は出ませんが、肺のレントゲン写真では下のほうが黒く映ること(下肺野の過膨張)や肺炎の影があることがあります。(図:堤 IASR Vol. 29 p. 274­275:2008年10月号)。
RS Xp.jpg
似た病気として、気管支喘息やゼーゼーするタイプの気管支炎(いわゆる喘息様気管支炎ですが)がありますが、まずは年齢や症状から疑ってみること。
疑ったら検査!なぜって気管支喘息や喘息様気管支炎と違い、RSは周りの小さな子にうつして迷惑をかけますから。
もしかしてインフルエンザかも?っていう可能性もお忘れなく。
決め手は迅速診断でしょう。すぐに結果が出ます。

6)治療は?

症状を和らげるような治療は可能ですが、ウイルスを直接やっつけるような薬はありません。
現状ではひどくなったら(あるいはひどくなりそうなら)入院して小児科医の監視下・・・でしょうかね。
お任せあれ!

7)予防は?

ワクチンはありません。
ワクチンではない予防するための注射はありますが、注射は特定の患者(未熟児や心臓病のお子さん等々)にしか認められていません。これはとても高価な薬です。
ウイルス自体は弱いのですが、家族内での発症が多いと言われます。
ですから、ちょっとグズグズと鼻かぜのような症状を出しているお兄ちゃん、お姉ちゃん、お父さん、お母さん!ちっちゃな子にうつさないように要注意です!
マスクやガウンより、まず手洗いです!
また、アルコール製剤も有効ですよ。

以上、簡単に説明させていただきました。

山田検査技師のブログ通り、八雲およびその周辺でもRS患者は出ています。

ご注意を!

内容はざっくりしたものなので、ここが知りたい!という点があれば、ぜひコメントしてください。

YIC­Net 八雲総合病院小児科医師 吉田
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