変な名前の病気②『ほっぺが紅いリンゴ病』
カテゴリー:つぶやき&うんちく 2014年3月24日
八雲総合病院にはいろんな掲示物があります。
『臨床検査壁新聞 No51号』もその1つ!
疾患や検査方法などが分かりやすく書かれている新聞です。
ご面会、受診待ちの時間などにぜひご覧ください!

あ、受診時、長い時間お待たせして申し訳ございません


さて、本日のお題は『リンゴ病』。

『まっかだりんごっこにほぺた~こくっづけて~ だまあ~でみでいるまおだそらこ~ 』
※リンゴの歌/道産子で連絡船に乗り津軽海峡を渡った世代なら分かるはず!!

リンゴ1.pngりんご.png


今回の『臨床検査壁新聞 No51号』にも掲載されていますが、発症すると頬などに赤みを帯びる『津軽のりんごっこ』のような症状が出ることで知られる「リンゴ病」

正式名称を「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」と言い、あまり聞き慣れない【パルボウイルスB19】と呼ばれるウイルスを介して感染する感染症です。

感染すると10日~20日の潜伏期間を経て発症しますが、主な症状は頬や腕、おなか、太ももなどに赤色の紅斑が現れ、 頭痛や関節痛や微熱、せき・鼻水・鼻づまりなど風邪様症状が出ます。幼児や児童の発症が多い感染症です。感染力はそれほど強くないため、短期間で急激に流行することはあまりなく、重症例も少ない疾患です。


がしかし厚労省が発表した衝撃の事実

2011年度に伝染性紅斑が大流行したので、厚生労働省によって妊婦さんを対象にした全国規模の調査の結果・・・

妊婦健診を実施する全国2,714施設に、妊娠中のウイルス感染について11年を対象に調査した。回答があった1,990施設を分析した結果、母から胎児へのパルボウイルスB19感染を69人確認。うち35人が流産、14人が死産、3人が中絶で、残り17人が出産だった。
さらに妊婦の半数はリンゴ病の症状がなかった。・・・・etc

リンゴ病に感染すると、流産や胎児死亡などを発症する危険性があるということです。

ごくまれですが、リンゴ病で胎児死亡に至るメカニズムは妊娠中に母体がパルボウイルスB19に感染してしまうと、胎盤を通して胎児にも感染が及び、赤血球の”もと”になる細胞【赤芽球】を破壊し「胎児貧血」の状態になり、胎児はむくみがひどくなり「胎児水腫」(水ぶくれ)状態となって、最終的には死に至るというケースです。

ここでさらなる問題

妊婦さんが『伝染性紅斑:パルボウイルスB19』を知らないケースが多かったことも事実です。(医療関係者でも・・・・・)

昨年来多くの報道で『風疹』が話題に上がり、風疹の怖さ【先天性風疹症候群】が広く知れ渡ることになりましたが、伝染性紅斑は風疹ほどのリスクはなく、強い感染力ないためか知名度がありません。また風疹のような有効なワクチンも存在しないため、有効な対策が取りづらい疾患のひとつです。

ことある毎に病気の対する情報提供をしていくことが唯一の方策と考えています。


YIC­Netとして、感染症の知識提供や感染対策の啓蒙に努めていきますので、皆さんも、感染症に対する知識の習得と共に、流行を素早くキャッチし、感染症対策の基本である、手洗いやうがいの励行とともに、感染症の予防対策に努めていきましょう
 
YIC­Net 検査技師 山田
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