リハビリテーション室ブログ

社会とのつながりと学習が認知症になぜ良いの?
カテゴリー:お役立ち情報 2022年2月7日

 こんにちは、精神科作業療法士の佐々木です。

 いきなりですが、社会って何でしょう?

仕事やボランティアなどの社会活動をしている人はもちろんですが、家族・親戚・友人との付き合いも広い意味での社会とのつながりと言えます。

私が小さい時は子供会の活動が活発で、年に何度も町内ぐるみでの行事があったものです。自分の地元である八雲に就職しても、集合住宅に住み始めるとご近所との付き合いは皆無に等しい日々となってしまっています。自分は将来どんな生活を送っていくんだろう、と考えさせられる今日この頃です。

 

 近年は一人暮らしの方も多く、おまけにコロナ禍とあって、日常の何気ない人との関わりが少ない世の中だなあと感じます。そんな「人とのつながり」が認知症の発症と大きく関わっていると考えられています。

認知機能が低下しにくい人

①家事や人の世話や学習的活動をする人

②周りの人とうまくいく人

③友人関係に満足する人

④経済的余裕がある人

⑤趣味があったり、新聞や本を読むなど学習的活動に参加する人

 とされており、

・自分の楽しみを見出し興味を持続させること

・家事や人の世話などの人の役に立っているという役割を持つこと

これが大切で、精神的な刺激が認知機能を保持する役割があると考えられます。知的に挑戦するような活動の継続は、認知機能を安定させ活性化するとされ、高齢者であっても脳の予備能力を増加させるという説もあります。

 認知症の原因として生活習慣病が関わっているといわれていますが、社会ネットワークが広いと、適度な緊張感が生まれ、自分の健康管理への関心が高まったり、他の人と関わることで、ポジティブな感情の状態になりやすいといわれています。また、ストレス解消となり、体に良い影響を与えると考えられています。心と体は繋がっていますね。

 

      

 

 

 余談ですが、私の父が朝に今までの事を思い返して「自分史」を書き始めたようで、生き生きと話し家族との話題も増えた印象があり、前より元気になったようでなんだか嬉しくなってしまいました。コロナ禍で人と直接つながることが躊躇されてしまう現在ですが、感染状況に応じた「人とのつながり」をもう一度考え、できる事をはじめてみませんか?

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