リハビリテーション室ブログ

『子供の膝や踵の痛みについて~骨端症~』予防するには?
カテゴリー:スポーツリハ通信 2021年5月25日

こんにちは。理学療法士の佐々木です。

 前回は、成長期の骨端症についてお話をしましたが、皆さんいかがでしたか?私自身は経験したことが無いのですが、皆さんの周りでは少なからず聞いたことがある方や、経験した方もいらっしゃるのではないかと思います。また、痛む部位によって病気の名前が違ったり、対処方法が変わってきたりややこしいですよね。そこで今回は、頻度が多い代表的な2つの骨端症の予防・ストレッチ方法について紹介致します。

 

・オスグット シュラッター病

 膝の皿から少し下に触っていくと、小さな膨隆部があると思います。そこは太ももで一番大きな大腿四頭筋という筋肉がついている部位になります。人間の筋肉は骨についていて、ひざを伸ばしたり、ジャンプしたりすると筋肉は収縮して長さが縮まり、その骨の部分は引っ張られる力が加わります。これが過度に繰り返され、その状態が続くと強い腫れや痛みを伴います。この状態が、オスグットシュラッター病です。これは多くが大腿四頭筋の柔軟性が低下して硬くなった状態の方が発症しやすい傾向があります。この部分の柔軟性が改善できれば、予防効果が期待できます。

●前太もものストレッチ

ふともも前の筋肉を伸ばすためのストレッチです。上記のように膝をついても寝た状態で行っても構いません。どちらの方法でも注意しなければいけないのは、膝を曲げてくると、股関節も一緒に曲がってきてしまう事です。股関節の曲がりに注意して行ってみましょう。

 

・シーバー病

 オスグットシュラッター病と同様に、アキレス腱や足底腱膜の影響によってかかとの骨に負荷がかかり、かかとの痛みや腫れが出現する状態です。こちらの予防方法も筋力の硬さだけで考えれば、ストレッチが最も取り組みやすい予防法と考えられます。

●ふくらはぎのストレッチ1

一つ目は下腿三頭筋という筋肉のストレッチです。

 ポイントは、伸ばすほうの足のかかとを地面につけたまま、足の指が外を向かないように真っ直ぐにして、体重を前にかけて行います。目線は、遠くを見るようなイメージで膝をしっかり伸ばしましょう。

●ふくらはぎのストレッチ2

二つ目はヒラメ筋という筋肉のストレッチです。

 ポイントは、一つ目と同じように足のかかとを地面につけたまま、膝と股関節を曲げて体重を下へかけて行きます。先ほどとは違う部位が伸ばされているのが実感できると思います。

 

 いかがでしたでしょうか?今回は、成長期の骨端症について一部予防法も交えて解説いたしました。しかし、これらの原因がひとつとは限らず、予防法もその方々でそれぞれあると言えます。特に運動というのは全身を使うので、膝やかかとの周りだけが悪いとは限りません。例えば、股関節の筋力が十分では無いことや、背骨の動きが生まれつき悪いあるいは姿勢・骨格が悪い状態でも身体を動かすときに補っている部分が存在し、それも負担になることが想像できるかと思います。成長期のお子さんの身体であれば尚更です。

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